つばめの選ぶ芹洋子さんの曲ベスト20プラスα
ここでは、つばめの「独断と偏見」に満ちた選曲による芹洋子さんの名曲20曲をご紹介します。また20位以外にも、つばめがどうしても語りたいこの曲を加えました。(暫時増量)(^^;)
■(第1位)
「牧歌〜その夏」
芹洋子さんの声質は童謡や叙情歌に見事にピッタリしますが、逆にあの歌唱力を存分に堪能できるのはこうしたスケールの大きい曲でこそでしょう。作曲の寺島尚彦さんは最近でも話題の「さとうきび畑」を作曲されたかたでもあります。詩はかなり観念的な文章で、文末のほうは悲劇的な感じがしますが、文脈の向こうに希望を見いだせるような詩です。
この曲にはデビュー・シングルに収録されたバージョンと1976年にベストアルバムを作る際に再録されたと思われる2バージョンがあります。デビュー録音盤の方は、若い芹さんが力一杯歌っている印象です。その成果でブルガリア音楽祭第3位を勝ち取りました。再録盤は自分のモノにした曲をグッと引き寄せて、慈しむように歌っている印象です。どちらも聴いている時間は至福の一時を味わえ、甲乙付けがたい録音です。
つばめはこの歌を聴くと、高度経済成長に疑問を投げかけた70年前後の映像作品や社会派フォークを思い起こします。この曲が素晴らしいのは、そんな疑問を声高ではなく静かに表現しているからではないでしょうか。ですが根底にあるのは「やさしさ・さびしさ」といった人間的感情です。その意味では同じ作家の「さとうきび畑」に似ていると言えましょう。
■(第2位)
「トロイカの伝説」
ボニージャックスとの共演になる曲です。NHK「歌はともだち」のオリジナルソングで、当時、毎週繰り返し聴いていました。ロシア風の哀愁を帯びたメロディ、憂いを帯びたマイナー・キーのメロディがつばめの琴線に触れまくりです。
この種のイメージの曲に「霧のカレリア」「ポールシュカ・ポーレ」「ワシントン広場の夜は更けて」「さらばシベリア鉄道」とか古今、様々な名曲がありますがそれら以上の感慨がこの曲にはあります。多分、自分の年少の頃への想い出があるからだとおもいます。この曲も「牧歌・・」同様、寺島尚彦さんの作曲ですね。
■(第3位)
「六月の子守歌」
なんという優しい曲でしょうか。YAMAHAのポプコンから出てきた曲です。参加グループ「みにくいあひるの子」のメンバーのお二人の作詞・作曲。その後ラジオやTVのコッキーポップなどでウイッシュという女性二人組の歌でも広がりました。芹洋子さんの録音は耳に素直に入り、落ち着いたスタンダードな印象がします。日本の原風景を描いたような詩がたまらなく美しい曲です。深い雪に覆われまだ貧しかった、でも自然も家族愛もあった頃の日本の母子が描かれています。
■(第4位)■(第5位)
「初恋のデッサン」「初恋の風車」
何れも初期のシングルレコードA面の佳曲です。2曲とも筒美京平さんの作曲という当時の典型的アイドルポップ歌謡曲ですね。抒情歌を推薦する芹さんのファンの方々には申し訳ありませんが、ポップなメロディーにまた目がないのが私、つばめでして・・・。(^^)
実際、この頃の歌い方は明らかにデビューしたての「セミ・クラシック」的歌唱法とはちがい、思わずホロリとする可愛い歌い方です。今日の堂々とした歌唱とも違いますが、是非この頃の可愛らしい歌唱も皆さんに聴いて頂きたいなと思います。また、詩情に溢れた部分もあります。前者では「かわら屋根つづく町」という古風な舞台設定が、後者では「想い出ならそれからいくつもふえたけど」という「いろんな人生を経た」?と思わせる詩にぐっときます。(作詞ちあき哲也さん)
■(第6位)
「人魚の海」
まず作曲、長戸大幸氏という名前を聞いて意外性を持ちます。あのMikeという女の子3人のグループを使い、GS・フォーク・歌謡曲からビーチボーイズ・ベンチャーズサウンド(テケテケ・・というグリッサンド奏法も女性ボーカル化)まで再現し、今日のJポップ時代をも渡り歩いてるお方が、この時期にこの曲を手がけていたとは・・。曲調はかなり「ハイカラ」な感じで、良い意味で期待を裏切ってくれるメロディーが現出します。また芹さんの曲の中では比較的珍しい語りの入った曲と言うことで、あえてスパイス代わりに入れてみました。
■(第7位)
「風たちはいま」
アルバム「青春の旅〜日本の抒情」から、鳥取砂丘を舞台にした曲です。この曲は編曲次第では「牧歌〜その夏」のようなスケールの大きい曲になる感じがします。しかしアルバムの性格上、突出すると全体から見てアンバランスなので、今日聴かれる編曲になっているのでしょう。つばめは1978年の熱〜〜い夏に鳥取砂丘に行きました。刺すような日差し、高温、旅疲れ、砂場でテントの野宿・・と「結んだ指もいまはひえびえ」(詩 木下龍太郎さん)という詩とはほど遠い夏真っ盛りの世界でした。(^^;)
■(第8位)
「花みずきの季節」
シングル「北の通りで」のB面に収まっていた曲ですが、「ベスト盤」にも良く入っている曲です。都会で失恋していなかに帰ってきた女の子・・・。というシチュエーションですね。「赤いハイヒール」という曲のアンサーソングみたいな感じがします。このHP内でつばめのディスコグラフィやジャケット写真の項でも語っている大好きな曲です。
■(第9位)
「赤い花白い花」
お陽さまお月さまのHP「芹洋子・赤い花白い花」のテーマでもあった曲です。出所は中林三恵さんが子供の頃口ずさんでいた曲で、次第に歌い拡がりフォークグループ「赤い鳥」や芹洋子さんの「みんなの歌」でのレパートリーになり拡がってきた曲です。3番の詩は芹洋子さんが歌うときに、中林さんに追加を依頼してできた部分だそうです。しかし「歌声喫茶」などでは興に乗った人が即興で3番を作っていたらしい名残りが、神崎みゆきさんという歌手の方のレコーディングに見えます。(つばめのディスコグラフィにあるユースホステルのアルバムに記事を収録)この辺の面白い話が「お陽さまお月さま」さんのHPにありますので興味のある方はぜひどうぞ。
■(第10位)
「愛の国から幸福へ」
1970年代というと「ディスカバー・ジャパン」といった大阪万国博覧会で頂点を極めた高度経済成長からの反省の気分が盛り上がっていた時代でした。今はかの地は鉄道自体走ってないようです。TVで芹さんがかつてのヒット曲の地を訪れる企画なんていうのも見たことがありました。つばめの買ったレコードに付いていたカード大のカレンダーには、今も幸福駅のホームで「愛の荷物」のバッグを持つ芹さんが微笑んでいてくれます。
■(第11位)
「北国は寒いだろう」
1970年代に最も良く聴いたDJはもちろん「洋子と歌おう、三菱ドライビングポップス」でしたが、「中山恵美子、長いつきあい」もたまに聴いてました。(^^;)甘ったるい声質なのに歌い出すと演歌調の「こぶし」がはいったりびっくりしました。そんな彼女の「北国は・・・」は大変好きな曲だったのですが、まさか、ま〜さ〜か〜!芹さんがレパートリーに入れようとは神ならぬ身のつばめには嬉しい驚き(殆ど驚愕!)でした。マンドリンの甘い調べが昭和の歌心を伝えます。
■(第12位)
「青春の旅」
ディスコグラフィのところでも書きましたが、アルバム「青春の旅〜日本の抒情」は全て芹さんのオリジナル発表曲ということでも画期的でしたし、どの曲もそれこそ四季・旅・愛に溢れた珠玉の名曲ぞろいでした。そのアルバムのタイトル曲でもありシングルカットもされた曲です。能登・金沢を歌った内容は「青春時代の想い出に旅」する芹洋子さんの旅ソングの代表かもしれませんね。
■(第13位)
「星の砂」
アップテンポで軽快な旅するアイドルポップス調の・・・。そう、この曲は「愛の国から幸福へ」がヒットした後の第2弾でした。「愛の国から・・」のアイテムが「切符」なら、こちらは「南の島の星の砂」というわけです。ポップなメロディ好きのつばめは大変気に入ってる曲です。
■(第14位)
「走馬燈」
NHK「みんなのうた」では岩崎宏美さんが歌っていましたね。おかっぱの少女が雪の中を馬にまたがってゆくイラストだったと思いますが、どこか「遠野物語」の一話を連想させるイラストでした。早いテンポの寂しさを感じさせるメロディが好きで、これも芹さんがレコードにしたときは小躍りして喜んだ曲目です。
■(第15位)
「はつ夏の潮騒」
南国を感じさせるスティールギターの調べがキラキラ輝く海を思い起こさせる曲ですね。これもNHK「みんなの歌」からの曲です。デビュー・アルバムの「牧歌〜その夏」に既に入っているところを見ると、かなり初期の録音ということになりますね。
■(第16位)
「心の夜明け」
シングル「旅にでたい」のB面に収められていた曲です。「牧歌〜その夏」のようなスケールの大きい編曲で、中盤ではミュージカルのようなオーケストラの伴奏が入ります。ラストのティンパニの連打も、こうした曲のエンディングらしいですね。
■(第17位)
「だれも知らない」
NHK「歌はともだち」のオリジナル曲で、ボニージャックスとの歌唱で「トロイカの伝説」同様、当時毎週のように聴きました。
■(第18位)
「早春岬」
アルバム「青春の旅〜日本の抒情」のオープニングの曲でした。高知県、足摺岬が舞台。自殺の名所との異名のあるところですが、文字通り早春の足摺岬は「春の一番早く来る南の岬」です。木下龍太郎さん詩
■(第19位)
「はばたく心」
またまた出ました、つばめの好きなポップなナンバー。(^^)筒見京平さん作曲ということで、セカンドアルバムA面最後の位置に来ていた曲です。詩自体は「心ウキウキ少女の明日を信じて頑張るわ!」みたいな曲ですが、車などで聴いていると本当に耳に心地よい曲です。
■(第20位)
「四季の歌」
ミリオンセラーの大ヒット曲がここで申し訳ありません。逆に言えば「四季の歌」が此処に来るほど芹さんの様々なレパートリーが私には好きな曲目の宝庫となっているのです。
この曲は私の従兄弟の結婚式の時に歌われた曲だったのを覚えてます。よく結婚式に行くとその時代・時代の愛と旅立ちを祝う歌を友人がうたうことがありますよね。私の時は・・・?えへへ、「乾杯」でした。
☆プラスアルファ・・まだまだつばめが語りたいこの一曲
■「あなたの心のかたすみに」
1976年のベストアルバムに入っていた曲です。初出もそうなのかは少し怪しいですが。ヨーロッパのヒット曲を聴くような、上品でありながら熱い恋愛の想いが伝わってくる曲です。ベスト20には入れてませんが「初恋の風車」などと勝るとも劣らないレパートリーですね。
■「サルビアの花」
芹洋子さんの歌唱は爽やかで軽やかな印象がありますが、この曲の後半、「泣きながら君の後を追いかけて・・・・」(相沢靖子:作詞)以降の歌唱は芹さん本当に泣いてるんじゃないだろうか???と思うほどの熱唱。
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